公益財団法人 愛媛県視覚障害者協会
ホーム » 協会について » 会長あいさつ » 前会長コラム平成25年2月号

前会長コラム

前会長コラムは、毎月1日に発行しているメールマガジン「愛eyeメール」の巻頭言に掲載した記事です。

平成25年2月号「眼では見えない放射線を」

 今冬は寒さが厳しく、降雪による被害もでています。県内でも雪のために交通機関に影響がありました。成人式の日には、首都圏で大雪のため交通機関が麻痺し、転倒事故も多発したそうです。また、積雪の影響で、福島県では除染作業が進まず、大変困っているとのことです。原発事故のため不自由を強いられている被災者にとって厳しい冬となっていることに心が痛みます。早く安心できる生活が営まれることを願ってやみません。

 先月18日にうれしいニュースがありました。日盲連に寄せられた義援金で、音声読み上げ機能付きの「しゃべる線量計」104台が福島県盲人協会に贈呈されました。この線量計は、福島県盲人協会が三和製作所に依頼して共同開発したもので、空間線量の数値を、0.01マイクロシーベルトから読み上げるそうです。昨年1月から販売されており、今年になって価格が5万円から3万8千円に値下げされています。

 放射線は視力があっても目で直接確認することはできません。見える人も見えない人も計測機器を使うことで放射線量を知ることができるのです。放射能汚染は生命を脅かす危険が高く、誰もが不安となります。視覚障害者も自分で危険な状態を知り、自分の身を守ることが重要であると思います。障害があってもなくても放射線量を知る必要性は同じことです。

愛eyeメール第127号 平成25年2月号巻頭言から 和田浩一